1.1.2 本当の自分(その6)

 3つの事例に共通して言えるのは、どれも「パソコン操作を上手くなりたい」という当初の動機からは外れていったという事です。でもそれで良いのです。なぜなら、パソコンスクールに通わなければ、文才がある事に気付く、数字のセンスが思っていた以上にある、旧友と新規ビジネスを始めるといった未来に進めません。そこがすなわち最終目的地である「本当の自分」では無いかも知れませんが、少なくとも開始時点よりあなたは自分の力で進化しましたし、もう一度、純粋に今最も興味のあるものを選択すれば更なる進化が望めます。その繰り返しです。

 本当の自分が何であるのかを知るためには、「あなたが純粋に今最も興味のある領域に飛び込んで自分自身を進化し続ける」ということに集約されます。

 ここで「純粋」に判断したかどうかという点はとても重要です。✳︎純粋=一点の曇りも無い 

1.1.2 本当の自分(その5)

 先程のパソコンスクールの事例を先へ進めます。まず、Wordで物語を作成する課題に興味を持ったケースからです。スクール課程終了後、あなたは今までやった事は無かったのですが自分で文学作品を作ることにしました。そもそもパソコン操作がどうしても好きになれないので、原稿用紙へ書くことにしました。書き始めてみるととても楽しくて時間を忘れました。とにかく楽しいので、作っている間は上手いか下手かは気にならなかったです。完結したので読書好きの友人に読んでもらいました。友人はあなたの書いた作品を読んで驚きを隠せませんでした。なぜなら、ストーリー展開がとても奇抜で、文章表現も流暢に思えたからです。そこで大手出版社へ原稿を送ってみたところ、注目に値する文学作品として出版され人気作家となりました。
 次に、Exelで数字を分析する課題に興味を持ったケースです。スクール課程終了後、あなたは今までやった事は無かったのですが、数字に興味があるという事を発見したので、書籍を購入して簿記の勉強を独学でやってみる事にしました。やってみると期待以上に勉学の成果が出て簿記の資格を取得しました。そして今度は専門学校へ行って税理士の資格を取り、税理士になりました。
 最後に、パソコンスクールの内容はイマイチだったけれど疎遠になっていた高校時代の友人と再会したケースです。あなたも友人もパソコン操作の上達という点については期待を下回る結果でしたが、スクール課程終了後、せっかくなので一緒に食事をしました。久しぶりの再会に意気投合した2人はお互いの経験を活かして共同で会社を設立する事にしました。学生時代にはあまり会話した事がなかったので気付かなかったのですが、友人と一緒にいると未知の世界を教えてくれるので刺激になり自分自身が成長します。

1.1.2 本当の自分(その4)

 せっかく選んだ選択肢をやめてしまったのですから、一見すると時間・労力・金銭等の無駄遣いをしてしまったかのように思えます。しかし、それは大きな間違いであなたにとって沢山の成果を得ているという事を忘れないでください。
 例えば、パソコンの操作が上手くなりたくてパソコン教室に通ったのですが思い通りの結果が出なかったとします。そこで、「思ったより上手くならなかった」で終わってしまうのではなく、「パソコン操作はイマイチだったけど、文書作成ソフトのWordで物語を作る課題は楽しかった」あるいは「パソコン操作はイマイチだったけど、表計算ソフトのExelで数字の分析をする課題は楽しかった」もしくは「スクールの内容そのものはイマイチだったけど、高校以来疎遠になっていた友人と再会した」など何でも良いです。

  ここで重要なポイントは、いわゆる「失敗は成功のもと」とは異質のものであると認識してください。なぜなら、あなたが純粋に好きで選択している点でその他の事象とは違いますし、そもそもあなたがパソコン操作に適性があるか否かは、目標とする「あなたの進化」にとって失敗ではないです。失敗かどうかは、あなたも含めた誰かが勝手に判断しているものに過ぎませんから、ここでは何の意味もないことです。

 

 

 

1.1.2 本当の自分(その3)

 職業、趣味いずれにしても未知の領域に第一歩を踏み出しました。一般的には仕事の成果であるとか趣味であれば上達具合に着目すると思います。それは、決して軽視するわけでは無いのですが、ここでは大した問題では無いです。そもそも、純粋に今のあなたが自分の好きな事、やりたい事を抽出して選択しただけですから、結果が伴うかどうかは当然別の問題ですし、知らない事をやるのですから結果が出ない方が自然と言えます。

 さて、興味を持って始めて少し続けてはみましたが、「思っていたものと違う」、「上手にできなさ過ぎてつまらない」、「あっちの仕事(趣味)の方が楽しいのではないか?」などの不満が出てくる方もいると思います。その場合は、無理に続ける理由を探さずに一旦休憩してその気持ちに変化がないか確認して、確認できたら最初の選択肢とは一旦お別れして別の興味のある選択肢を取ります。当然ですが、最初の選択肢で上手く続けることが出来た方はそのまま継続します。 

 ここで継続できなかった自分を責めないでください。思い出してください。あなたが目指すべき本当の目標は、自分を進化させ「本当の自分」を見つける事です。

 

 

 

 

 

 

 

1.1.2 本当の自分(その2)

 ここからは、現実世界の制約がありますから難易度が上がりますが、心配されなくても大丈夫です。
 まず、趣味について選んだ方は開始するに当たって多少の反対はあったかもしれませんが、家計に大ダメージを与える等でなければ特に問題なかったのではないでしょうか。スクールに通う時間が無かったとしても、通信教育、テレビ、書籍、インターネット等、手段は沢山あります。まずは、どの様な方法でも良いので始めてください。ここでは、選んだ事を実行に移したという実績が重要です。
 職業については、潤沢に預貯金がある例外を除いて、今すぐ会社を辞めるのは無計画すぎますので、なりたい職業の資格スクールに通い始める、スクールに行けない場合は通信教育、書籍等で情報を得るようにします。資格取得に限定せず、なりたい職業に就くにはどの様な手段があるのか明確にします。そして、たとえ1日15分でも良いので毎日継続的に時間を配分して対象となる職業における未知の領域を既知の領域に変えていってください。一見すると地道な作業ですが「本当の自分」を見つけるために大切な第一歩となります。

1.1.2 本当の自分(その1)

 あなたの「天賦の才」が何であるのか私には判りません。でも、私はその才能の見つけ方のコツについては知っています。あなたが実行するかどうかは別として、それについてお話ししていきたいと思います。
 まず、あなたが今置かれている立場(職業・性別・年齢等)をすべて忘れてください。その時、どんな職業に就きたいですか?職業が思い浮かばない場合は、やりたい趣味でも良いです。今現在で思い浮かばなければ幼少期まで遡っても大丈夫です。
 注意して欲しいのはこの時、「お金がない、時間がない、経験がない、儲からない、妻(夫)に変人扱いされる等」の制約条件は完全に無視してください。趣味を選ぶ際には、「歌・演奏が下手、絵が下手、字が下手、運転に自信がない、体を鍛えたことがない、妻(夫)に変人扱いされる(笑)等」は一切関係ないです。とにかくあなたが純粋にやりたいと思った事を選びます。ここまではやりたい事を選ぶだけで何の制約もないのですから誰にでも簡単にできると思います。
 次に、いよいよ選んだ事について実行に移します。